What's WineBox?
Makers & Music
Wine List
Shipping & Payment
Contact
MUSIC & WINE
WineBox #4 「Five Senses Trip」
インタビュー: カニユウヤ(突然少年)
突然少年というバンドをご存知だろうか。
2年連続でFUJI ROCK FESTIVALへの出演を果たし、音楽シーンを賑わすジャパニーズオルタナティブロックバンドの最新兵器とでも言おうか、初期衝動で鳴らす音が聴き手の感情を揺さぶる、そんなバンドだ。
誤解を恐れずに言えば、「ワイン」のイメージの最も対極に位置しているバンドである。
その突然少年でLOVE&GUITAR担当のカニユウヤさんが実はソムリエを目指していた時期もあるという"ワイン好き"で、"音楽×自然派ワイン"に興味を持っていただいたことから音シェフ(選曲)を担当していただけることとなった。

WineBox第4号、「Five Senses Trip」から見える枠にとらわれない音楽性
正面から捉えると、突然少年のカニユウヤだから、当然ロックナンバーがずらりと並ぶプレイリストでしょう、と思ってしまいがちだが、まるで違う。
フランスで活躍したイタリア生まれのシンガーソングライター、ニノ・フェレールの74年の1曲『Looking For You』からスタートし、ずらっと17曲、58分のプレイリストである。
「目で見て、嗅いで、味を感じて...と五感を経て得られる愉悦や心地よい酩酊を経て、新たな感覚(第六感)を目指すような、心の内面の旅をイメージして曲を選びました」
軸となった曲はジョー・パスの『Self Image』だそう。
「大好きなギタリストで、この曲はプレイリストを作る時にイメージしたマインドフルネスを体現しています。自分を見つめるということです。」
選曲リストを見ると、音楽を深堀りしてきた人だということが容易にわかる。
普段から分け隔てなく様々な音楽を聴いているとうカニさん。最近のダンスミュージックから、30年代のブルース、ドローンや辺境民族まで実に様々。
「ここ最近ハマっているのは、平沢進さんです。ポップと狂気の融合は心地いいですね。」
「Five Senses Trip」、第六感を探す五感の旅。
そんなストーリーを描く映画のサウンドトラックのようにも聴こえる。
「映画もめちゃくちゃ観るのですが、最近観て衝撃を受けたのは松井良彦監督の『追悼のざわめき』です。
最も好きな監督はアレハンドロ・ホドロフスキーです。」
今までのように気軽に旅もできないが、自由に旅ができるようになったらインドに行ってみたいそう。
また、沖縄でのスキューバダイビングが楽しい思い出だと語るカニさん。
当面はこの選曲で「心の旅」を満喫したいところ。
「心の旅」のおともはもちろん、音とペアリングされたワイン。
カニさんはソムリエを目指していたほどのワイン好き。
「自宅で呑むときはあまり良いワインを呑めないので、サングリアを作ったりしています。好きなワインはドメーヌ・ド・シュヴァリアです。」
ドメーヌ・ド・シュヴァリアは、以前働いていたレストランで初めて呑み、これまで呑んだあらゆるワインとは違う個性的な味に感動したという1本とのことだ。
マインドフルネスがキーワードとなっている今回の「Five Senses Trip」。
マインドフルネスをライフスタイルに取り入れる人も多く、カニさんもその一人。
実践するにあたって、カニさんが普段から心がけていることはバランスのいい食事と十分な睡眠だそう。
やや意外ともいえる一面を見せてくれたカニさんだが、ステイホーム中に料理動画を公開し、"料理男子"な一面も見せている。
今回紡いだプレイリストに合うレシピを教えていただいた。
メニュー名:
セロリのクリームチーズソース和え
用意するもの:
セロリ、牛乳、クリームチーズ、チェダーチーズ、にんにく、玉ねぎ
つくりかた:
にんにくをフライパンでオリーブオイルで程よくいため、牛乳、クリームチーズ、チェダーチーズが溶けるまで加熱、そのあとは上記の材料を炒めるだけです。白ワインに合います。
リリース情報
ハロルド作石先生との音楽と漫画のスプリットシングル
タイトル: ボール
発売日:2020.8.5 配信
2020.9.3(草野球の日)10インチジャケット特別仕様盤

突然少年とカニユウヤ
突然少年は、2012年、高校の軽音楽部で結成されたバンド。
2018年はフジロックの新人ステージ「ROOKIE A-GO-GO」の出演枠を勝ち取り、2019年には同フェスのメインステージに立っている。
まず、フジロックの思い出を教えてください。
「50以上のアーティストを観て、美味しい料理や酒を呑み、その全てが素晴らしいものでした。
最終日の終盤に足首をブヨに刺されて歩けなくなり、The Cureとクルアンビンを見逃したことが逆に思い出です。
自然の脅威を知りましたね。
あそこは山ですから、舐めてかかると痛い目をみます。
ちなみに先1週間まともに歩けませんでした。」
ライブの熱量が高い、とにかくライブに定評がある突然少年。
バンド仲間も圧倒されるほどのパフォーマンスを繰り広げていますが、ライブ中はどんなことを考えているのでしょう?
「宇宙のことだけを考えています。
身体を動かしているものが、自分の命ではなく楽器であるようにするために必要なことです。」
今のカニさんが理想とするバンドの将来像はどんな姿でしょうか?
「どうなるかは分からない、大きな力に導かれることもあれば、それに抵抗するときもある。バンドも多面的で流動的なものですから。」
カニさんはどんな少年でしたか?
「野球少年でした。
怪我で頓挫して、音楽を始めたのは15歳のころです。
良くも悪くも、少年の頃と今とでは、変わったことはあまりありません。」
Newシングル『ボール』がリリースに。
最近突然少年のファンになったというハロルド作石とかねてよりハロルド作石作品のファンだった突然少年の相思相愛、音楽と漫画のスプリットシングル。
大好きな漫画家であるハロルドさんとのコラボに胸が躍っています。
ジャケットをみると「ストッパー毒島」の登場人物の一員になったようで嬉しいような恥ずかしいような感じです。
フジロックへの出演やファーストアルバムのリリースもあり、勢いが増していく中でドラマーの脱退があった2019年。
しかし逆境を糧とするような切りかえしで、ドラマーを公募し、応募してきたドラマーたちとワンマンをしたり、先輩ドラマーを迎えてミニアルバム『辺りを見渡せばきっと側に誰かいる』を制作したり、そのレコ発では演奏だけじゃない様々な"手作りエンターテインメント"を披露したりと、とにかく自由な発想でまい進してきている。
こういう自由な企画の発想の原動力はどんなところから来ているのでしょう?
「リーダーのとだげん(Ba)やマネージャーのアラヤさんなど、悪ノリで決まることもあれば熟考したアイデアを投げかけられることもあります。」
この春~夏は突然少年というバンドのコロナ渦対策とでもいうべき、「配信ライブツアー」を慣行。
「それまで年間150本近くのライブをこなしていた我々ですが、コロナ禍に見舞われ、生活の大部分を占めていたライブ活動の中止を余儀なくされました。
しかし、なにかできないかと奮起して行動したのが配信ライブツアーであったように思います。
数多くの人たちの協力があって成すことができました。
配信を手伝っていただいたライブハウスである吉祥寺WARP、下北沢LIVE HAUS、新代田FEVER、調布CROSS、横須賀かぼちゃ屋、新宿ロフト(敬称略)には感謝したいです。」
マラソンに挑戦、米農家で田植え・稲刈りをするなど音楽以外の活動にも熱心とうかがっていますが、今現在で何か取り組んでいることはありますか?
「今は特にありませんが、面白いことを思いついたりしたら率先してやっていきたいですね。
取り組みとは違うと思いますが、最近プロ野球を熱心に観るようになりました。」
もしかして、このWineBoxも面白い!と思っていただけたということでよろしいでしょうか?笑
「とても面白いと思いました!食と音楽のクロスオーバーには以前から興味があったので、こういう機会を設けていただいて大変嬉しく思います。」
突拍子もないことをおもしろおかしく、そして時には真面目に仕掛けてくれるのがカニさんがギタリストを務める突然少年。
邦楽ロックファンならずとも追いかけてみてほしいバンドだ。
プレイリスト「Five Senses Trip」とセレクトワインはこちら