
大人数でわいわいと飲むワインももちろん素晴らしいですが、 今回は表題のようなシチュエーションで相手や自分自身とリラックスして 語り合うようなイメージのプレイリストを作成しました。 楽曲は全てソロかデュオの演奏(多重録音の使用によりソロ名義でもパート数が3つ以上のものもありますが、そこは大目にみてください笑)によるものです。沈黙が、気まずさより心地よいグルーブに繋がるような、忘れていた記憶や、突飛な思いつきの呼び水として作用するような、そんな時間を時に誘発するように、時に寄り添うように、音の隙間を、揺らぎやちょっとした違和感を意識しました。香りや味の特徴を理解したと確信した次の一口で全然違う表情を見せるワインのようなこのプレイリストがワインと共に汲めども尽きぬ豊かな対話のお供になるように。
―三浦康嗣(□□□)
三浦康嗣
音楽家。□□□ (クチロロ) 主宰。
ポップミュージックを軸にインスタレーション、パフォーミングアート等多角的なフィールドで活動。
□□□としての音源のリリースやライブの他、平井堅、木村カエラ、m-flo、土屋アンナ、野宮真貴、大滝詠一、細野晴臣、堀込泰行、ヒプノシスマイク、中島愛、東山奈央、環ROY、荒井岳史、ドレスコーズ、森山未來、フェスティバル/トーキョー、HERMES、FRANCK MULLER、六本木ヒルズ、東京大学など様々なアーティストやプロジェクトの楽曲のプロデュース、作詞作曲編曲、リミックス、コラボレーションの制作やトリビュートへ参加。
□□□「CD」(東京TDC賞2012 RGB賞)「Tokyo City Symphony」(2013カンヌ広告祭銀賞)「SPACE BALLOON PROJECT」(第15回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門大賞)「わが星」(第54回岸田國士戯曲賞受賞)など受賞作品多数。
このプレイリストと呑みたいワイン
一人で呑むとき、二人で呑むとき。
対話の隙間を通り抜けて、いつのまにか心の中に浸透していくプレイリスト。
ソロかでデュオの演奏でまとめられている選曲から、
一人=単一ワイン、二人=ブレンドワインを想像しました。
一人呑みでもOKなように、抜栓後数日間楽しめるものをセレクトしています。
ゆっくりと時間をかけて舌全体で味わってみてください。
白)プルミエ・ロール 2019 / ドメーヌ・デ・ザミネル
品種はヴェルメンティーノ。
数日間、安定した味わいを保ってくれる頼もしいヤツ。
一人の時間は絶対的に自分が主役。
プルミエ・ロール=主役ということで、このワインにしました。
一人の時間、プレイリストを聴きながら、自分だけの時間を。
白・橙)メドル・セレクシオ カルトゥシャベルメイ 2019 / セイエル・ノウ・メス
品種はカルトゥシャベルメイ。
スパークリングワインによく使われるチャレロをカタルーニャではカルトゥシャと呼ぶそう。
ぶどうの個性が引き出された1本。
2日目以降もいい感じに違う表情を見せてくれます。
赤)ラ クカ デ リュム 2019 / スクセス・ヴィ二コラ
ロゼのスパークリングワインに使われることが多いカタルーニャの土着品種トレパットをミディアムボディのジューシーな赤に仕上げています。
白)フルール 2019 / ル・ジョン・ブラン
ソーヴィニョンブラン、ソーヴィニョングリ、セミヨンのブレンドです。
なかなかうち溶けてくれない人見知りの心をさぐりながら、進めていく会話。
あれれ・・こういうお話は好きじゃないのかな。
とにかく心の内側を知りたい。
違う角度からボールを投げて、だんだんリズムができていくような。
ぎこちない空気が、自然な会話になって。
そんな二人の時間に寄り添うように、はじめは少しだけ人見知りなこのワイン。
グラスや呑むタイミング、温度などなど、環境の変化に敏感に反応してくれる面白い1本です。
じっくりと時間をかけて、一緒に過ごすことになったぶどうたちの様子を口内で味わってみてください。